ALC外壁塗装とは何か?メリット・デメリットを解説
注文住宅を建てるときに優先事項として、長く安全に快適に暮らせることを挙げる人は多いでしょう。家族がいつまでも安心して生活を送れるようにしたいと考えている人におすすめの外壁がALCパネルです。今回の記事ではメリット、デメリット、注意点を紹介するので、今後の参考にしてください。
ALC外壁塗装とは?役割や特徴を理解しよう
日本国内のメーカーは、それぞれ異なる製品を販売しているので、その特徴を理解しておきましょう。
ALCパネルの特徴
軽量気泡コンクリートのことを指しています。セメントや生石灰などが主な原料として使用されていて、内部に気泡を含んでいるのが特徴です。
外壁材として使用されているという認識を多くの人は持っていますが、外壁材だけが用途ではありません。
屋根、床、間仕切りなどにも使用されているので、幅広い用途として使用されています。
また、注文住宅のみならず、高層ビルやショッピングセンターなどにも使用されています。
厚みが異なる
厚型と薄型の2種類が存在します。厚型は、主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの耐火建築物に使用されているのが特徴で、厚さが75mm以上あります。
薄型は、主に木造や鉄骨造などの建築物に使用されているのが特徴で、厚さが35~75mm未満となっています。
施工を行う業者に相談する
日本国内には3社のメーカーが存在します。それぞれ異なる製品を販売しているので、製品の特徴、メリット、デメリットを熟知したあとに、製品を注文するようにしましょう。
建物の重要な部分にALCパネルを採用することになるので、後悔しないようにしたいものです。
また、自分の好みだけで製品を決定するのではなく、住宅を建てる地域の環境や構造などの影響をALCパネルは受けるので、詳しい話を業者から教えてもらってから決定しましょう。
ALC外壁塗装のメリット・デメリット
軽量で強度が高いという魅力がありますが、防水性に不安を感じるので、きちんと対策を講じましょう。
初期費用が高額になるので、予算オーバーにならないように努めましょう。
耐久性が高いメリット
耐用年数は50年を超えるといわれているので、長く安全に快適に暮らしたい人におすすめです。
住宅をこまめに建て替えるよりも、メンテナンスを適切に行いながら生活を送れます。
その分、初期費用は高額になりますが、長持ちする住宅なので、軽微な地震などが発生したときも、今までと同じような生活を送れるメリットがあります。
日本は地震や台風の被害に悩まされることが多いので、自然災害に強いALCパネルはおすすめです。
断熱性に優れているメリット
内部の気泡が空気の層を作るので、快適な暮らしを実現したい人におすすめです。
通常のコンクリートと比較すると、およそ10倍も断熱性が高いことが明らかになっています。
断熱性が高い住宅は、夏は涼しくて冬は暖かいのが特徴です。夏は、屋根や外壁に太陽光が当たりますが、太陽の熱さが屋根や外壁を通り抜けて室内に侵入するのを防止します。
そのため、室内で過ごしていると涼しく感じられます。
冬は、外気の冷たさが屋根や外壁から室内に侵入しようとしますが、外気の冷たさを室内に侵入させません。
これにより、室内で温かく過ごせるようになります。夏や冬だけではなく1年中室内で快適に過ごせるようになるので、エアコンの稼働時間が短縮できます。
電気料金の変動を気にする必要はありません。リビングやダイニングだけではなく、廊下や寝室なども一定の温度に保たれているので、冬に脱衣所でヒートショックを起こす心配がありません。
このように、家族の健康と家計によい影響を及ぼします。
また、1年中室内の温度が一定に保たれているので、住宅の劣化を防げるようになっています。
適切に温度と湿度が管理されているのでカビの発生を抑制できます。カビの発生を防ぐことで、建物の中心部にある構造材が腐食する心配がなくなります。住宅の劣化を防止できるので、外壁のひび割れや住宅の傾斜なども無縁になります。
耐火性に優れているメリット
現在の住宅は、万が一火災が発生しても、延焼しにくい素材を使用していることが多くなっています。
ALCパネルは、耐火性と防火性に優れているのがメリットです。また、原料が無機質なので、有機物質を発生させないようになっています。
火が燃え広がりにくくなっているので、避難するときに余裕を持てることが明らかになっています。
軽量で遮音性が高いメリット
通常のコンクリートと重量を比較すると、1/4程度となっています。軽量ですが強度があり、遮音性が高いメリットがあります。
遮音性が高いので、室外で騒音などが発生しても静かに過ごせます。室外の音が室内に伝わりにくくなっているので、交通量が多い地域や繁華街の近くで生活を送っている人でも安心して暮らせます。
また、室内の音が室外に聞こえにくくなっています。家族の会話や生活音などが聞こえにくいので、プライバシーに配慮された住宅で生活を送れます。早朝や夜間に生活音を出したくないと思っている人も安心してください。
つなぎ目が多いデメリット
パネル同士のつなぎ目が多いので、雨漏りのリスクが高くなってしまいます。
対策として、シーリング材でつなぎ目を埋めるようにするとよいでしょう。
こちらの対策を怠ると、雨漏りが発生して住宅の劣化が進行してしまいます。屋根や構造材などにダメージを負ってしまうと、建物の中心部から劣化が進行してしまうので、最悪の場合は建物が倒壊するリスクがあります。
防水性が低いデメリット
耐久性の高い素材ですが、つなぎ目を埋めるための対策は必須といえるでしょう。
外壁の膨張やひび割れが発生したときは、早めに業者に依頼してメンテナンスしてもらいましょう。住宅の劣化のサインを見逃さないようにします。
ほかの製品よりも費用が高額になるデメリット
耐用年数が50年以上となっているので、その分初期費用が高額になります。
窯業系サイディングは3,000円~、金属系サイディングは4,000円~となっていますが、ALCパネルは7,500円~となっているので、ほぼ倍の価格になります。
定期的なメンテナンスのために発生する費用も考慮してから、採用するかどうか検討しましょう。
事前に知っておきたい塗装時の注意点
2つの注意点を紹介します。耐用年数が長いメリットがありますが、防水性が低いデメリットがあります。
デメリットを補うための対策を講じましょう。また、定期的に業者による点検とメンテナンスを受けましょう。
防水塗料で保護する
塗料は種類により価格が異なりますが、シリコン系やウレタン系などの塗料を使用しましょう。
初期費用が高額な塗料は、長い期間効果が持続します。しかし、塗料の性能は業者が詳しいので、自分だけで決定せずにアドバイスも参考にしましょう。
定期的に点検とメンテナンスを行う
点検やメンテナンスは、症状が発見される前に行うことが大切です。
外壁のひび割れが発生したときは、すでにほかの症状が進行していることが考えられます。どのような些細な兆候も見逃さないようにしましょう。
5~10年程度を目安にメンテナンスを業者に依頼しましょう。業者とは長い付き合いになるので、良好な関係を維持してください。
まとめ
ALCパネルは日本国内で3社のメーカーが販売しています。すべてのメーカーが取り扱っていないので、広く普及している状態ではありません。そのため、情報量も限られていますが、注文住宅を建てるときにALCパネルを採用したいと考えている人は、業者に相談しましょう。ALCパネルで建てることで、より快適に暮らせるようになれば家族が幸せになれます。家族の健康と幸せを守っていきましょう。