外壁塗装では「シリコン」と「フッ素」どちらがおすすめ?

公開日:2023/04/15  最終更新日:2023/05/12


外壁塗装する場合、どの種類の塗料を使用すればよいか悩む人もいるでしょう。今回は耐久性が高い「シリコン」と「フッ素」の塗料について紹介します。2つの塗料の特性や違い、メリット・デメリットについても詳しく解説。外壁塗装を検討中の方は、ぜひ塗料選びの参考にしてください。

シリコンとフッ素の違い

シリコン塗料とは塗料に含まれる樹脂の成分にシリコンが使われている塗料。フッ素塗料とはフッ素を含んだ合成樹脂を主成分とする塗料です。シリコンとフッ素の塗料にはどんな違いがあるのでしょうか。2つの塗料の違いについて紹介していきます。

耐用年数

シリコン塗料の耐用年数は10年から12年、フッ素塗料の耐用年数は15年から18年くらいです。ともに平均耐用年数の10年を超えるため、耐久性が高い塗料として人気を集めています。

耐熱・紫外線への特性

シリコン塗料は耐熱性に優れており、600度の熱にまで耐えることができます。近年は猛暑の夏になることが多いですがシリコン塗料であれば暑い地域でも安心でしょう。フッ素はシリコンよりも結合力が強いため、紫外線に強い性質があります。強い紫外線を受けても長期間色褪せず美しい外観を保つことができるのが特徴です。

耐汚性

シリコン塗装には内部結露を防ぐ特性があるため、カビや結露を防ぐことが可能です。一方、フッ素塗料は親水性が高く汚れが雨で流れ落ちやすい特性があります。

シリコンのメリット・デメリット

シリコン塗装のメリットとデメリットについて詳しく紹介していきます。

耐候性

シリコンは耐候性が高く過酷な天気に耐えることができます。屋外で使用しても劣化しにくく酸性雨や強風に耐え内部結露を防ぐ力もあるため、カビや藻、結露対策をしたいと考えている場合はシリコン塗料がおすすめです。フッ素塗装は塗膜が硬く撥水性があるため耐水性があり、家全体を強固に保護ができます。

商品のラインナップが豊富

シリコン塗装は商品のラインナップが豊富なのも魅力です。ツヤありやツヤなしなど好みの仕上がりの塗料を選べます。価格帯も幅広くあり予算に見合った商品を探しやすいのもメリットです。シリコン塗料には雨や泥を弾いて掃除を楽にできるセラミック成分配合の塗料もあります。塗料の上から水や泥を弾く保護剤を散布することも可能。好みの仕上がりを選べて、必要に応じて機能をプラスできるのもメリットです。

コストパフォーマンスがよい

シリコン塗装は10年から12年の耐用年数があります。1㎡あたりの塗装の料金相場はフッ素塗料が約4,000円であるのに対し、シリコン塗装は約2,000円です。平均耐用年数の10年を超えており、耐久性が高く高機能でありながらフッ素塗装に対して手頃な価格であるのもメリットです。

重ね塗りには注意が必要

汚れが落ちやすく、よく弾く性質を持っているシリコン塗料ですが、重ね塗りをすると塗料を弾いてしまうのがデメリットです。重ね塗りをすると塗料の密着度が低くなってしまうため、すでにシリコン塗装されている場合は専用の下地を塗ってから塗装をする必要があります。シリコン塗装をした後に経年を迎えて、再塗装する場合は次の塗装はシリコン以外の塗料を選んだり、専用下地を使用したりする必要があるでしょう。

弾性が低い

シリコン塗装は弾性が低いため、ほかのウレタン塗料などと比べるとひび割れが起きやすいのもデメリットです。温度や湿度で伸縮する素材への塗装、振動が多い立地での使用はあまり向いていません。

アクリルやウレタン塗料よりも価格が高い

耐用年数が高いため、アクリル塗料やウレタン塗料よりも価格が高いです。塗装をした後に10年以上住む予定がない場合シリコン塗装は不要でしょう。

フッ素よりも耐久性が低い

シリコン塗料はフッ素塗料よりも耐久性が低いため、将来的な塗装工事回数を少なく抑えたいと思っている場合は最適な選択肢ではないでしょう。

フッ素のメリット・デメリット

フッ素塗料にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。紹介していきます。

耐久性の高さ

フッ素塗料は耐久性が高いため、耐用年数は15年から20年と非常に長いです。ほかの塗料にはない耐久性の高さがあるのがメリットです。

紫外線に強い

フッ素塗料は炭素とフッ素の結合が非常に強固です。結合力が強いため紫外線に強い性質を持っているため、紫外線による劣化を防げます。長期間色褪せしない性質のため光沢が維持。20年で10%しか光沢が減少しなかったという統計もあります。

汚れが落ちやすい

フッ素塗料は親水性が高いため、汚れが落ちやすいのがメリットです。空気中の水分を取り込み外壁に水分膜をつくるため、汚れが直接外壁につきにくい性質があります。雨が降ると汚れも一緒に流れ落ち、きれいな外観を保てるのです。藻やカビが発生しにくい性質を持っているため、衛生的といえます。

塗装回数を少なくできる

フッ素塗料は耐久性が高いため、塗り替えの頻度を少なくできるのがメリットです。長く住み続けるためには外壁は耐用年数ごとに塗りなおす必要があります。しかし、フッ素塗装の耐用年数は長いため、住み続けたときのトータルの塗装回数を減らせるのが特徴です。

塗装の際は外壁を高圧洗浄したり、足場を組んだりと塗装のための準備にも費用がかかりますが、塗装回数が少なく済むため、将来的にシリコン塗装に比べてトータルのコストをカットが可能です。外壁塗装は7日から10日の工期が一般的。その間、足場があるため、窓を開けられなかったり洗濯物が干せなかったり、人の気配を常に感じていてストレスになる場合もあります。近隣への配慮も必要になるため、なるべく塗装回数を少なくしたいと考えている場合はとくにおすすめです。

屋根や雨樋の塗装におすすめ

屋根や雨どいは天気の影響を受けやすいため、外壁に比べ劣化の早い部位です。予算の関係で、外壁すべてをフッ素塗装にするのが難しい場合は、屋根や雨樋など劣化しやすい部分をフッ素で塗装するのもよいでしょう。

屋根は劣化が早いため外壁塗装よりも塗装の頻度が高くなる場合があります。屋根を耐用年数の長いフッ素で塗装し、外壁をほかの塗料で塗装し、耐用年数を合わせると屋根と外壁の塗装工事を同時できにトータルのリフォーム回数を減らせます。足場設置にかかるコストやリフォームのための手間を削減可能です。

費用が高い

フッ素塗料は費用が高いため、1回ごとの出費を抑えたいと考えている場合は、デメリットに感じるでしょう。しかし、初期費用が高くなってもトータルでのコストを抑えたいと考えている場合にはおすすめです。

塗膜が硬い

フッ素塗料は塗膜が硬いため、ひび割れやすい性質があります。素材への密着度の高い塗料のため、モルタルの外壁など、動きがあったり天候で伸縮したりする素材へ塗る場合はひび割れが起きやすいのです。自分の住まいと相性のよい塗料であるか注意しましょう。

バリエーションが少ない

フッ素塗料は光沢ありの塗料しか製造されていないため、つや消しの仕上がりを希望する場合は、ほかの塗料を選ぶ必要があります。

まとめ

今回は、外壁塗装ではシリコンとフッ素どちらがおすすめかについて説明しました。両者とも、平均耐用年数の10年を超えた耐久性の高い塗料であることがわかります。シリコン塗料は耐用年数10年から12年でコストパフォーマンスがよく、バリエーション豊富なのが魅力です。フッ素塗装は耐用年数が15年から18年と非常に長く高い耐久性を持った塗料。高い親水性を持ちきれいな外観を保てます。塗装回数を少なくできるのが大きなメリットです。ほかの塗料よりも高価ではありますが、将来的にかかるコストを少なくできます。シリコンとフッ素どちらもメリットの多い塗料といえるでしょう。

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