カバー工法って何?施工の特徴や費用相場について解説!

公開日:2023/01/15  最終更新日:2022/12/02


外壁工事には、塗装、張り替え、カバー工法の3種類があります。今回はその中のひとつであるカバー工法を紹介します。馴染みがあまりない工事方法ですが、外壁の悩みを最低限の工事で済ませられるのが特徴です。一般的に外壁工事は塗装のイメージがありますが、カバー工法についても検討してみてください。

外壁カバー工法とは

外壁工事は3種類あります。今回はその中のひとつであるカバー工法について紹介します。カバー工法のメリットとデメリットも見ていきましょう。

外壁工事の種類

塗装、張り替え、カバー工法があります。

塗装は馴染みのある外壁工事といえます。費用は80万円以上、工期は2~3週間、耐久性は8年以上といわれています。現在塗装されている塗料の上から、新しい塗料を塗る作業です。

張り替えは現在塗装されている外壁の一部または全部を剥がして、新しい外壁材を設置する作業です。費用は180万円以上、工期は4週間以上、耐久性は15年以上といわれています。

カバー工法とは

現在塗装されている外壁をそのまま残した状態で、新しい外壁材を上塗りしていく作業をカバー工法といいます。張り替えは、現在塗装されている外壁の一部または全部を剥がして新しい外壁材を設置する作業なので、張り替えとは異なります。塗装と比較すると、耐久性が長いのが特徴です。

カバー工法のメリットとデメリット

・メリット
断熱性が向上すること

防音性が向上すること
建物の内部に損傷がなければ外部に損傷があっても工事が可能となること
ランニングコストを削減できること

・デメリット
4週間程度の工期の長さと費用が高額であること

メリットの断熱性と防音性が向上するのは、外壁材を重ね合わせるのがカバー工法なので、冬の寒い時期でも暖かく過ごせるようになります。また、生活音などの音漏れが発生しにくくなります。建物の内部に損傷が見つかっても外部の損傷がなければ工事ができるので、柔軟性があるといえるでしょう。

そして、家をリフォームした後も長く生活することを想定している場合は、ランニングコストを削減できます。これは耐久性が15年以上となっていて、塗装の耐久性が8年以上であることと比較すると長いためです。一方、工期が4週間程度と長いことに加え、費用が150万円以上かかるので、塗装よりも工期が長く費用が高いことがデメリットです。

カバー工法で施工する前に知りたいこと

カバー外壁材の種類、工事費用、住宅リフォーム減税について見ていきましょう。施工前に知っておいたほうがよいことを知っておくと、スムーズに進みます。

カバー外壁材の種類

カバー工法で使用する外壁材の種類を紹介します。窯業系サイディング、金属系サイディング、樹脂系サイディング、木質系サイディングがあります。窯業系サイディングは、1㎡単価が3,000円~5,000円、耐用年数が30年、メンテナンスは10年~15年に一度となっています。金属系サイディングは、1㎡単価が4,500円~1万円、耐用年数が15年~40年、メンテナンスは15年以上に一度となっていますが、使用する金属により異なります。樹脂系サイディングは、1㎡単価が8,000円~1万円、耐用年数が30年~40年、メンテナンスは20年以上に一度となっています。木質系サイディングは、1㎡単価が6,000円以上、耐用年数が30年以上、メンテナンスは5年~10年に一度となっています。

窯業系サイディング

費用面の負担が少ないのが魅力ですが、外壁材の重量が重いためカバー工法には向いていません。張り替えの場合には適しています。

金属系サイディング

カバー工法で人気が高い金属系サイディングは、スチール、ガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレスの種類があります。それぞれの特徴として、スチールの1㎡単価が3,500円以上、耐用年数は20年以上、メンテナンスは5年~7年に一度となっています。ガルバリウム鋼板の1㎡単価が4,500円以上、耐用年数は25年~40年、メンテナンスは15年~20年に一度となっています。アルミの1㎡単価が8,000円以上、耐用年数は30年~50年、メンテナンスはアルミの含有率により異なりますが、25年以上となっています。ステンレスの1㎡単価が9,000円以上、耐用年数は30年~50年、メンテナンスは25年以上となっています。このように金属系サイディングは、使用する金属の種類によって大きな違いがあります。比較的長い耐用年数が魅力です。その中でも人気が高いガルバリウム鋼板は、費用面と耐用年数のバランスがよいと評価を受けています。

樹脂系サイディングと木質系サイディング

耐用年数とメンテナンスの頻度に違いはほとんどありませんが、費用面で違いがあります。窯業系サイディングのようにカバー工法の外壁材として不向きではないので、費用面、耐用年数、メンテナンスの頻度を総合的に判断して選択してください。

工事費用は家の形状やデザインにより異なる

1㎡単価で値段が設定されているので、形が複雑な家やデザイン性に富んでいる家は費用が高くなる傾向があります。たとえば、形が複雑な家やデザイン性に富んだ家の場合は、追加費用として10万円~14万円程度の負担がかかります。施工前に業者に見積もってもらうと不安を解消できます。

住宅リフォーム減税を利用できる場合がある

所得税の控除が受けられる可能性があります。控除の割合や金額はローンの年数により変化するので一概には示せません。しかし、全額自己負担するよりもお得にリフォームできるので、条件を満たしているかどうかを事前に確認してみましょう。

カバー工法はどんな家におすすめか

最低限の工事で済むのが特徴です。工期は長いですが、張り替えと比較するとリーズナブルです。また、ひび割れ、膨らみ、塗膜の剥がれ、カビや苔がある、穴やへこみがある状態の家は、塗装よりもカバー工法がおすすめです。塗装でメンテナンスすると補修費が別途必要になるからです。状況によっては、補修費と塗装代のほうが高くつくときがあります。

ひび割れがある状態の家

ひび割れの幅が3mm以上、そして外壁全体にひびが入っている状態の家は、カバー工法を検討しましょう。

膨らみがある状態の家

塗装した部分が不自然に盛り上がっている箇所が複数あり、全体的に塗装が剥がれてきている状態の家は、カバー工法を検討しましょう。

塗膜が剥がれている状態の家

手で外壁に触れると、パリパリと塗膜が剥がれて、それが全体的に広がっている状態の家は、カバー工法を検討しましょう。

カビや苔が生えている状態の家

外壁がひどく汚れていて、水とブラシでこすっても汚れが落ちるレベルではない状態の家は、カバー工法を検討しましょう。

穴やへこみなどの破損がみられる家

外壁の表面の穴やへこみだけではなく、外壁の角が部分的に破損している状態の家は、カバー工法を検討しましょう。

まとめ

外壁工事には、塗装、張り替え、カバー工法の3種類あります。カバー工法は、現在塗装されている外壁をそのまま残した状態で、新しい外壁材を上塗りしていく作業を指します。建物の内部に損傷がなければ外部に損傷があっても工事が可能なので、最低限の工事で済ませたい人におすすめです。カバー外壁材の中でも金属系サイディングが人気です。そのなかでもガルバリウム鋼板は、費用面と耐用年数のバランスがよいことから高く評価されています。カバー工法は、ひび割れ、膨らみ、塗膜の剥がれ、カビや苔がある、穴やへこみがある家におすすめです。耐用年数が長いため、リフォーム後も長く住みたい人は選択してみてください。費用面や工期などで不安がある人は業者に相談してみるとよいでしょう。

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