外壁の劣化原因として考えられることとは?外部環境が関係している?
家を建てたりリフォームしたりする際に、きれいに外壁を完成させても月日が経てば劣化してしまいます。経年劣化はもちろんありますが、ほかにどんな要因によって外壁はダメージを受けていくのでしょうか。今回は外壁の劣化原因やその症状について解説し、対処法をご紹介していきます。
外壁の劣化原因として考えられること
外壁の劣化原因として、避けられないものを紹介していきます。第一にあげられるのは太陽光(紫外線)です。紫外線を浴びると肌が焼けたり人によってはアレルギー症状を引き起こしたりしますが、外壁にとってもダメージを受ける原因になります。野外にずっと晒されている建物や看板がどんどん色あせていくのを見たことがあるでしょう。それは紫外線の影響を受けているからです。熱の力によって塗料が劣化してしまい、もとのきれいな色がどんどん失われてしまうという仕組みです。
また、外壁が紫外線を浴びることで表面に白っぽい粉が噴き出てくることがあります。これをチョーキングといいますが、そのまま放置しておくと外壁のひび割れや雨漏りにつながってしまうことも。紫外線を浴び続けることによって外壁が剝がれることもあります。塗料が剥がれると壁の下地部分が見えてしまい、デザイン性が失われる、下地が劣化して外壁が腐るといった可能性が高くなるので注意が必要です。1度剥がれた部分からどんどん外壁の剥がれが進んでしまい、塗装が周囲に飛んでいって周りに迷惑をかけることにもなりかねません。
そして、ひび割れた外壁を舗装するためにコーキング材というものが使われますが、このコーキング材も紫外線によって劣化していきます。もともとゴムのように弾性のある素材なのですが、弾力が失われ意味がなくなってしまうケースもあるでしょう。このように、紫外線や熱は外壁にとって防ぎようがなく、ダメージが蓄積される原因なのです。
■外壁は雨や風の影響を受ける
雨水や強風も外壁を劣化させる要因になります。雨風で外壁が汚れてしまいますが、雨が上がって乾燥した後もそのまま放置しておくとどんどん汚れが溜まってしまいます。また、普段から屋根や壁のでこぼこ部分に汚れが付着している場合、それが雨によって流れ出し外壁に汚れが広がってしまうことも考えられるでしょう。また、長期間雨が降ると外壁が湿った状態が続き、カビが発生する原因になる可能性があります。このように、雨風によって二次災害的に外壁の劣化が起こるという訳です。
■塗料の寿命
塗料にはどれも寿命が存在します。使用するメーカーや種類、その組み合わせによって目安は異なりますが、短いと5年、長いと15~20年が寿命の目安になるので、覚えておきましょう。
外壁の主な劣化症状
外壁が劣化するとどのような症状が引き起こされるのでしょうか。塗料は劣化すると色あせてしまいます。ツヤ仕上げにしてもマット仕上げにしたとしても、もともとのきれいな色が失われ見た目が悪くなってしまうでしょう。色が薄くなっていたり別の色に変わっていたりする部分は、外壁が劣化していると判断してください。見た目が悪いだけでなく、塗料による防水や防カビといった性能も失われているのでより注意が必要です。
■外壁そのもののダメージにつながる
外壁が紫外線や雨風によって劣化すると、白い粉が噴き出てくることがあります。これは塗料の中に含まれる顔料が劣化してしまうことが原因であり、チョーキング(白亜化現象)と呼ばれています。塗料の寿命が近づいているサインになるため、壁を触って白っぽい汚れが手についたら張り替えを検討しましょう。ただの汚れだと判断しないよう気をつけてください。このチョーキングを放置しておくと、ひび割れが起こる可能性があります。
そのほかにも、地震や家周囲が工事・交通によって振動することにより外壁がひび割れることも。壁が壊れているように見えるのはもちろんマイナス要素ですが、ひび割れた部分から雨水や汚れが侵入し建物が腐ってしまうことにつながります。最悪の場合、建物が倒壊する恐れがあるので、ひび割れは放置しないようにしましょう。
また、チョーキングの放置は塗料が剥がれてしまう原因にもなるのです。外壁は素材部分に下地を塗り、そこに塗料を重ね塗りすることで完成するのですが、塗料が剥がれると下地がむき出しになってしまいます。これも外壁自体を劣化させる原因になるので、忘れずにメンテナンスを行ってください。
■カビ・コケの発生
塗料の劣化は、そのまま家の防水・防カビ性の劣化につながってしまいます。塗料にはさまざまなものが含まれていて、壁を守ってくれているからです。劣化して塗料が剥がれた部分から雨水が侵入すると、カビやコケが発生してしまう原因になります。とくに梅雨の時期や日当たりの悪い場所、周りに水田や河川がありもともと湿度が高い場所の場合、より注意深く観察するのがおすすめです。カビやコケは見た目を劣化させ、そこから新しいカビやコケが広がっていき、家が傷んでしまうのです。早めに洗浄しましょう。
外壁が劣化してきていると感じたら?
外壁が劣化していたり塗料が剥がれたりしていることに気づいた場合、できるだけ早急に対処してください。外壁を補修する方法としてコーキング材の塗布が挙げられます。劣化した部分をきれいに取り除き、また新しいコーキング材を打ち直すことで外壁表面を美しく保ちます。塗料に比べコーキングは劣化が早いものの、その分補修の費用も安く抑えられるのです。
■塗料を塗り替える
塗料が剥がれてしまった場合、もっともおすすめなのは塗料の塗り直しです。ただ、剥がれた部分のみを塗り直すとなると、まだ残っている塗料との相性があるので、どの塗料を使うかきちんと業者と相談して決めてください。また、せっかく塗り替えるならできるだけ長持ちする塗料を選びましょう。何度も重ね塗りするとその部分だけ悪目立ちしてしまう可能性があります。
■外壁をきれいに保つ
汚れやカビ、コケをそのままにしておくと劣化の原因になります。高圧洗浄などを利用し、汚れを落としておきましょう。コケなどもきれいに落ちて家のデザイン性も保たれます。カビや藻などが発生している場合、薬品によって汚れを落とすバイオ洗浄もおすすめです。ただし、外壁がひび割れている部分に強い水圧をかけると、さらにひび割れが進んでしまうケースも考えられます。業者と相談して補修の手順を決めてください。
■壁自体を補修する
塗料の劣化によって壁材も劣化してしまっている場合、重ね張りや張り替えによって壁自体をきれいに整える必要があります。重ね張りの際には軽量で扱いやすい壁材を使用してください。ただし、あまりに劣化がひどい場合は重ね張りでは対処できない可能性が高いので、そのときは古い壁材を剥がし、新しい壁材に張り替えましょう。
■費用の相場
外壁が劣化している部分はメンテナンスを行わなくてはいけません。費用の相場は30坪の家の場合コーキング材の塗布は30~40万円、塗料の塗り替えは100万円前後、高圧洗浄は約3万円、外壁の重ね塗りは150~200万円、張替えは200~250万円ほどです。工事が大掛かりになるほど費用がかさむため、予算と工期、劣化状況によって必要な補修を選んでください。
外壁の劣化原因とその症状、対処法について説明しました。壁や塗料は紫外線や雨風の影響を大きく受けてしまいます。残念ながら防ぎようがないので、こまめなメンテナンスや使用する塗料を工夫することで対応していきましょう。家の状態をきれいに保ち、よりよい空間になるよう気を配ってください。