外壁塗装にガイナを使用するメリット・デメリットとは?
ガイナという塗料を聞いたことがありますか?現在、断熱や遮熱を重視した塗料としてとても人気が高くなっています。省エネに効果的ですが、デメリットも把握しておかないと、のちのちトラブルになってしまう可能性があるので注意しましょう。今回はガイナという塗料について解説し、メリットとデメリットを詳しく掘り下げていきます。
ガイナとはどのような塗料?
ガイナとは日新産業が開発した塗料です。特徴として高い断熱・遮熱効果があげられます。その秘密は塗料の中に中空ビーズが配合されていて、それが断熱材の役割を果たしてくれるからです。塗るだけで塗膜が断熱してくれるなんて、ありがたい限りですね。
また、このビーズ部分に紫外線が侵入することで反射と屈折を繰り返し、遮熱に繋がるという仕組みになっています。もともとはロケットの外側に塗る塗料を建築塗料に改良したものであり、宇宙空間の強烈な光を遮るように作られたことから、高い断熱と遮熱効果を持っているのです。それを建築塗料に応用することで、夏はいつもより涼しく、冬は暖かく過ごせるということです。高い省エネ効果が期待でき、経済面でも家計を助けてくれることに繋がるでしょう。
■その他の特徴
ガイナは断熱と遮熱に特化した塗料ですが、効果はそれだけではありません。高い耐久性や不燃性、防露の他に、匂い対策になったり含まれている揮発性有機化合物の量が少なかったりと、人の体にも配慮されたつくりになっています。耐用年数は15年と言われていて、色数は外壁用で52色展開されています。これらを組み合わせることによって、200色以上のカラーに対応できる点も魅力的です。
外壁塗装にガイナを使用するメリット
外壁塗装にガイナを使用するメリットとして、第一に断熱効果があげられます。建物の外壁にガイナを使用し、冬に暖房を使用するとガイナを塗った部分の温度が上昇します。そうして室内側に遠赤外線を放射して熱の移動を抑え、暖房の効率が高くなるのです。外や天井、壁から熱が逃げることがなくなるうえに、外からの冷気も遮ってくれるため暖まりやすく冷めにくい部屋の中になります。体感温度が上がることでより快適に過ごせるでしょう。
そして、遮熱効果は夏に大活躍します。外壁にガイナを塗ると日光を反射できるため、夏の暑い日も家の中が暑くなりにくいのです。全ての熱を反射できるわけではありませんが、吸収した熱に関しても遠赤外線放出によってより効果的に日光を逃がせるため、より遮熱効果が高くなり持続時間も長くなります。ガイナの塗布によって体感温度が10度も変わると言われています。
また、断熱・遮熱効果が高いということは、家の内外に移動する熱の量が減るということです。つまり、結露防止に効果的だと言えます。結露は放っておくと汚れやカビの原因になってしまうため、こまめなケアや対策が必要ですが、ガイナを使うだけで結露防止に役立つのです。
■遮音効果
ガイナの塗膜表面はセラミックで構成されています。通常の塗料に比べ表面積が大きくなり、その分外の音を反射する力が強くなります。車や電車が走る音など、家の外から侵入してくる音を小さくする効果が期待できるため、室内が静かで快適になるということです。同様に、家の中の話し声や洗濯・掃除といった家事の音が外に漏れにくくなります。近隣住民に迷惑をかける可能性が低くなり、お互いが気持ちよく過ごせることに繋がります。
■高い安全性が特徴的
ガイナは水性塗料です。塗料と聞くと独特の刺激臭がするイメージがあるかと思いますが、水性塗料の場合シンナーの匂いがしないため安全性が高いと言えます。揮発性の有機化合物の量も少なく、低刺激性の塗料です。ホルムアルデヒド放散等区分で「F☆☆☆☆」を獲得していることからも、その安全性の高さが伝わるでしょう。
さらに、国土交通省から不燃材料として認められており、防火性が高いことも特徴としてあげられます。防火地域・準防火地域でも使用可能です。また、ガイナは静電気によって付着する物質や匂いの影響を抑えられます。空気中に物質が浮遊することを抑え、室内の空気や匂いが改善されていく傾向があります。
ガイナによって遠赤外線を効率的に放射できることは先ほども述べましたが、遠赤外線は水分子を振動させる性質を持っています。そのため、ガイナを塗布した部分から放射された遠赤外線によって水の粒子が細かくなり、室内がマイナスイオン優位な環境になるのです。幼い子供や高齢の人、妊娠中・授乳中の女性、ペットがいるなど、どんな家庭にとっても嬉しい効果を発揮してくれます。
■ガイナは長持ちする
塗料は紫外線によって劣化する傾向があります。その点、ガイナは紫外線に強いセラミックが採用されているので、劣化するスピードが遅く高い耐久性を有しています。外壁の塗料が丈夫ということは、そのまま建物が丈夫なことに繋がります。一般的な塗料の耐久性は10年前後と言われていますが、ガイナは15年ほどもつため何度も塗り直す必要がありません。
外壁塗装にガイナを使用するデメリット
ガイナ塗料のデメリットとして、その高額な費用があげられます。一般的な塗料の1.5~2倍の値段がかかると思っておいてください。外壁塗装の費用の相場はおよそ100万円前後と言われていますが、ガイナを使用した場合150~200万円になってしまいます。
まとまった金額が必要になるので、余裕をもって予算を組むことをおすすめします。ただ、耐久性に優れた塗料であるため、長い目で見るとコストパフォーマンスが高くなる可能性もあります。さらに、断熱・遮熱によって光熱費の削減に繋がるので、トータルで見るとそこまで高額という訳ではありません。どのポイントを重視するかで使う塗料を決めましょう。
■汚れが付着しやすく、仕上がりはマット
ガイナには汚れが付着しやすいという特徴があります。中空ビーズが含まれていることから、塗膜表面がでこぼこしてしまうからです。そして、外壁表面を平らにすることはできません。また、ツヤを消したマットな表面になるため、ピカピカの仕上がりにしたいという人には向いていないと言えるでしょう。
■使用できるカラーは限りがある
ガイナは52色の塗料を組み合わせて200色以上のカラーに対応できますが、ベースとなるカラーは白です。薄いパステル系の色合いを得意としていて、黒など濃いカラーは作れないので注意してください。使いたい色が決まっている場合は、事前に確認してガイナで対応できるか答えを出してもらうことをおすすめします。
■納品と使用のタイミングが難しい
ガイナは白が1週間、他のカラーは2週間ほどの納期が必要です。この日に工事を始めたいと思っていても、スケジュールにゆとりがなければ塗料が届かず工事を進められなくなってしまいます。早め早めの行動を心がけましょう。さらに、塗料の使用期限が約3ヶ月と短く納期を早め過ぎても使えなくなってしまいます。適切なタイミングをしっかり見極めてください。
■防カビは別途対応が必要
残念ながらガイナに防カビ機能はついていません。外壁をカビから守りたいと考えている場合、ガイナ専用の防カビ剤を別に用意する必要があります。
外壁塗装にガイナを使用する際のポイントについてまとめました。値段が高く扱いが難しい塗料ですが、その分得られるメリットは非常に多くなっています。初期費用はかかったとしても経済面で考えるとお得な可能性も高いため、自分が優先したいことを確実に決めてガイナの使用を検討してください。